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であったならば、この波から、このときのサルは、注意・覚醒水準が下がり、心的に不安定な状態にあったことが示される。
7)まとめ
a)現段階における本研究の主目的であるサル用脳波測定ヘルメットの開発は、成功をおさめた。本研究で開発したヘルメットをサルに装着し、適切な方法でサルを慣化することにより、無拘束状態におけるサルの脳波をテレメータ誘導により、かなり長時間測定することができる。
b)静止状態における脳波は、サルなどについてこれまで得られた知見とおおむね一致し、覚醒緊張と覚醒安静の状態を表すと思われる。(Caveness,1962)
c)揺れ状態における脳波は、速波化など、覚醒緊張の状態を表していると思われる。
d)揺れによる「酔い」がサルにも生ずるか否か、またそれに対応する脳波反応があるか否かについては、特異な波が記録されたが、いまのところ明らかではない。
引用・参考文献
問田直幹、内薗耕二(編):新生理学(上巻)、医学書院、1966
Caveness,W.F.:Atlas of electroencephalography in the developing monkey(Macaca mulatta)、Addison-Welsley.s.、1962
Ray S.Snider&John C.Lee:A Steretaxic Atlas of the Monkey Brain、The University of Chicago Press.、1961

図2.2.4−6 第1クール・第2フェーズ,横揺れフェーズ
開始後間もなくのCo部位の脳波
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